コンビニ 人手不足「特集②」 (Page 3)
コンビニ 人手不足「特集②」
人手不足/今、新店が危ない!
今回は、コンビニの新店の人手不足についてお話したいと思う。
コンビニの新店といえば、ひと昔前は「オープニングスタッフ募集」と求人誌に告知すれば、たくさんの問合せが届いた。
ゼロからスタートなので働きやすいとか、古参のパート・アルバイトがいない為、人間関係的にもやりやすいという点が好まれていた。
ところが最近は、どの新店もオープニングスタッフが集まらずに苦労している。私の会社にも、新店からの派遣依頼の割合がとても増えてきている。
オープン時のスタッフは、ただでさえ新人ばかりで、十分な戦力となっていない。
安心して任せられる人材が少ない中、人の数も足りないとなると、もうオーナーは悲惨な状況となる。
さらに、それに加え急な欠員や退職者が出てきしまうと、もう地獄である。睡眠もまともに取れず、ひたすらシフトを埋めるだけの毎日となる。
“コンビニなんて始めなければ良かった”と、早くも後悔モードになってしまう。
弊社では、そんなオーナーさんに少しでも楽をしてもらおうと、新店に派遣する際は、できる限り実務経験に長けたスキルの高いスタッフを選定して派遣するよう配慮している。
しかし、エリアや立地によっては、そのような対応ができない場合がどうしても出てきてしまう。ご依頼を頂いた店舗に行くと、“どうしてこんなところに出店したのか?”“この立地では人が集まらなくても当然だろう!”と疑問に感じるお店はかなり多い。
そんなお店を見るたびに、これからの時代、新店を出す際は、単に収益性だけでなく、人材の確保がしっかりできる立地なのかどうかということも考慮し、出店を検討していかなければならないのではないかと感じてしまう。
コンビニ新店が人手不足に陥る、ある要因
日頃、多くのオーナーから“どうすれば人の悩みを解決できるのか?”という相談を受ける。
お店によって原因と対策は異なってくるのだが、新店の場合、人手不足に陥る要因の一つとして、経営者としての経験不足や未熟さというものも大きく関係している。
脱サラで独立することが多いこの業界では、オーナーになる方のほとんどが経営者の経験がない方ばかりである。
十分な経験やスキルがなく、いきなり経営者という立場になるのだから、人をうまく使うことができなくてもしかたがない。
しかし、新店のオーナーを見ていると、すでに経営者となった自分に酔いしれて暴君化していたり、従業員に対し、やたらと自分の理想を押し付け、レベルの高いことばかりを求めようとするオーナーをよく見かける。
自分の思い通りにならないとすぐに怒り出す。
そして自分の好みや理想に合わないと判断すると、すぐにその人を排除しようとする。
その結果、いつまでたっても人が定着せず、増えることもなく、慢性的な人手不足となり、自らの首を絞めてしまっている。
きちんと育てれば戦力にすることができるのにそれができない。人の成長を待てない。そんなオーナー達を見る度に残念に思う。
経営において、人材は最も重要な経営資源である。
今、コンビニ業界で働きたいと思う人達が減ってきている。それは人材という経営資源がどんどん減ってきているということである。
そんな時代の中、数少ない人材という経営資源をどのように活用していけば良いのか?
どのようにうまく育て、大きくしていければ良いのか?
そのような発想で人材の獲得・育成・活用というものを考えていかなければ、これからの人手不足の時代を乗り越えていくことなど到底できない。
そこに早く気付いてほしいと感じる。